会長挨拶

第54回日本消化器がん検診学会大会
会長 野崎 良一
大腸肛門病センター高野病院

会長:野崎良一

この度、第54回日本消化器がん検診学会大会の会長を拝命しました。伝統ある本学会の大会長を務めさせていただくことになり大変光栄に存じます。本大会は2016年11月3日~6日神戸市においてJDDW 2016への全面参加として前年同様学会第1日目に開催されます。

本大会のメインテーマを「がん検診の進歩がもたらす消化器病学への貢献」としました。「有効ながん検診を正しく、多くの人に実施することにより、当該がん死亡率を減少させること」ががん検診の目的です。エビデンスを構築し、科学的根拠に基づいた検診を推進して行くことは本学会に課せられた使命です。消化器がん検診は胃・大腸・肝胆膵の3領域と多岐に渡ります。JDDW構成4学会にとってもがん対策は大変重要であり、全学会が歩調を合わせて取り組むべき共通の課題と考えます。近年、がん検診のエビデンスが積み上げられてきており、検診法として有望な各種のmodalityが登場してきています。このような現状に鑑み、「がん検診の進歩は消化器病学の発展に寄与する」との高遠な思いを本テーマに込めました。

本学会が主催する主題は前年から2題となりましたが、パネルディスカッションとして、「対策型胃内視鏡検診の現状と対策」と「大腸内視鏡検診の精度管理」を取り上げました。胃内視鏡検診の有効性が明らかとなり、対策型検診として推奨されることになったこの時期に、本テーマを取り上げることは当にタイムリーな企画であり、今後の胃内視鏡検診のマイルストーンとなる研究成果が示されることを期待します。国家事業として成功を収めている韓国からIl Ju Choi教授(National Cancer Center)にも加わってもらい国際的視野に立って討論いただきます。大腸がん検診の精検法として内視鏡検査は第一に推奨される検査法ですが、対策型検診としての検討も始まっています。欧米においては内視鏡のquality assuranceが研究され、クオリティ・インディケータが示されています。わが国ではこの種の研究は緒についたばかりですが、内視鏡で世界をリードするわが国においても重要なテーマであり、今からホットな討論が楽しみです。さらに海外招聘として英国からR.J.C. Steele教授(University of Dundee)を招き、「英国における大腸がん検診のnational program」について招待講演をいただきます。わが国のがん検診のあり方に貴重な示唆を与えてくれるものとなるでしょう。主催する主題は以上ですが、他学会との共同開催の主題が多数企画されております。わが国の消化器病学のup-to-dateの知見を知る絶好の機会となると確信しています。

JDDW 2016は9年ぶりにAPDW 2016と同時開催されます。国内から2万人以上、海外から2千人以上の参加が予想されます。本学会の独自性を維持しながら、JDDW構成4学会と連携を密にして円滑な学会運営に務めてまいります。多くの会員の先生方の主題ならびに一般演題へのご応募とご参加をお願い申し上げます。

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