メディカルスタッフプログラム1(JDDW)
10月31日(金) 9:00–12:00 第13会場(神戸国際会議場 国際会議室)
MS1-6指

化学療法導入後に短期訪問看護室を利用した高齢膵がん患者の実態

村上 真知子1
共同演者:笹原 千晶1, 金 俊文2
1
手稲渓仁会病院・看護部
2
手稲渓仁会病院・消化器病センター
【背景・目的】高齢膵がん患者に対して化学療法を施行する機会は増え,入院で治療導入した後は外来通院となる.有害事象が出現する時期を自宅で過ごすことになり,住み慣れた地域で生活し治療を継続するには,退院後も切れ目ない支援が求められる.A急性期病院では併設の短期訪問看護室(以下りんく)を活用し,短期的に患者の様子を確認している.今回,化学療法導入後に短期訪問看護を行った高齢膵がん患者の実態を報告する.【対象と方法】対象は2024年1月から12月までに膵がんの初回化学療法導入で入院した65歳以上の患者のうち,りんくの利用可能地域に住む30名.基本情報(年齢,居住地,家族背景,主傷病名)やりんくの利用状況,転帰など電子カルテから後方視的に分析した.【結果】りんくの利用を検討した症例は,退院後の生活に不安を感じている患者,新たな症状の対処に支援が必要な患者,痛みや腹部膨満などの症状がある患者であった.りんくの情報提供を行った患者は12名(40.0%),そのうち希望した6名(20.0%)に短期訪問看護を行った.利用した患者の平均年齢は74.2歳であった.りんくでは「退院後に起こり得る身体症状のアセスメント」を行っていた.また「生活の中で対処できていることの承認」や「今後予測される症状の共有」を繰り返し,生活の中に治療を組み込めるよう支援していた.そして「対応に迷うときは即座に医師や外来看護師に相談」し,初回外来前には「外来看護師と患者の生活状況の情報共有」をしていた.転帰はりんくで終了2名(33.3%),地域の訪問看護継続1名(16.6%),再入院3名(50.0%)であった.【考察】りんくによる短期訪問看護は,化学療法導入後の不安定な在宅療養移行期に際して,自施設の強みを活かした対応をしていた.急性期の治療経過を理解した面識のある看護師が生活に合わせた支援を行うことは,患者の安心感につながり,高齢膵がん患者が生活を再編し自立へ向かう在宅療養移行支援の一助となることが示唆された.
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