メディカルスタッフプログラム1(JDDW)
10月31日(金) 9:00–12:00 第13会場(神戸国際会議場 国際会議室)
MS1-4指
医師不足地域での診療看護師(Nurse Practitionaer)の有用性
吉原 秀一
- 大館市立総合病院
当地域は秋田県県北地域にある大館市・鹿角市・小坂町からなる人口10万の医療圏である.少子高齢化・医師不足が顕著な地域で高齢化率は40%を超え,75歳以上の半数以上が独居と老老世帯である.一方,人口あたりの医師数は全国にある335医療圏のうち321位と極端な医師不足の地域である.また,1次医療を担う開業医の平均年齢は75才前後と高齢化しており,有床診療所も無床化し,現在,有床診療所はなくなり1次医療は崩壊しつつある.このような中,当院は地域にある唯一の病床430床の中核病院であるが,1次医療の不足を補うべく軽症初診患者を多数診療している.また,開業医に代わって地域の産業医や学校検診医も担っている.このような医師不足を補うため様々な医師負担軽減策を講じているが,診療看護師(NP: Nurse Practitioner)を導入した経緯とその効果について述べたい.当院では2020年よりNPの養成を開始した.2020年に秋田大学医学部保健学専攻大学院開設され,当院から2名を選抜し入学させた.在学に関しては当院からの出張扱いとし職員としての身分は保証した.また,講義には多くのオンライン講義が取り入れられ,実習の一部も当院で行われ地方からの修学に配慮されていた.卒業後は当院に戻り研修医と同様に各科を2年間ローテートした.その後はNPと各科とのマッチングを行い.1名は整形外科,もう1名は循環器内科に専属とした.整形外科では外来(問診,検査説明,検査補助,ギブス固定),病棟(回診,検査オーダー,患者説明,代理処方,カンファレンス参加),手術(手術体位,腰椎麻酔,第1,第2助手,標本整理)また,循環器内科ではこれらに加え心臓カテーテル検査第1助手,ペースメーカー調整,循環器作動薬用量調節と多くの臨床現場に立ち会い医師業務の負担軽減につながった.また,一般看護師と医師との連携をNPが関与することにより,スムーズに連携が取れるようになり業務の負担軽減につながった.このように多くの利点があるNP導入であるが,今後の問題点として法制上の整備と報酬体系,継続的な人員確保が挙げられる.