メディカルスタッフプログラム1(JDDW)
10月31日(金) 9:00–12:00 第13会場(神戸国際会議場 国際会議室)
MS1-8
内視鏡室における多職種連携と情報共有の効果に関する研究
川原 佑太1
共同演者:隅田 頼信2, 秋穂 裕唯2
- 1
- 北九州市立医療センター・診療支援部臨床工学課
- 2
- 北九州市立医療センター・消化器内科
【目的】日本の高齢化率は2025年に30%超となり,医療・福祉分野での人材不足が深刻化している.この課題に対応するために多職種連携は必須であり,当院内視鏡室では2019年から臨床工学技士(CE)が参入し,医師や看護師とのタスクシフトを進めてきた.また多職種で情報を共有するために,富士フイルム社製NEXUSシステムを導入して全7室の検査状況をテレビモニターでリアルタイムに可視化する体制を構築した.本研究では,CE参入による多職種連携の一例としてCEが担うようになった内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)の直接介助業務の成果と,情報可視化共有の業務効率化への影響を検証する.【方法】ESDにおいて,CEが直接介助業務を担当する前(2019~2020年度,n=513)と後(2021~2024年2月,n=977)の症例開始時間を比較した.また,NEXUSシステムによる情報可視化共有の開始前後の時間外勤務月平均時間を比較した.【成績】CEによるESD直接介助業務の導入後,時間帯別症例割合が変化し,午前中(9:00~10:59)の症例が1.2%から25.6%へと顕著に増加した.午後の集中状況も,13:00~14:59の症例が43.5%から22.9%へ,15:00~16:59が26.1%から18.8%へと分散され,症例の時間的偏りが改善された.NEXUSシステム導入後,時間外勤務月平均時間は30.0時間から24.5時間へと18.3%減少した.【考察】CEの直接介助業務参入とNEXUSシステムによる全職種が検査状況を俯瞰・把握することで,午前中からのESDが可能となり,医師の業務時間配分最適化と負担軽減に貢献した.多職種連携と情報共有の効率化による相乗効果が時間外勤務の削減につながった.本研究は,限られた医療人材の効果的活用とIT技術による業務プロセス最適化が,医療現場の負担軽減と患者サービス向上の両立に有効であることを示唆している.