メディカルスタッフプログラム1(JDDW)
10月31日(金) 9:00–12:00 第13会場(神戸国際会議場 国際会議室)
MS1-3
高齢化著しい地域中核病院における多職種連携の実践
本田 理恵1
共同演者:望月 仁2, 小俣 政男2,3
- 1
- 山梨県立中央病院・看護局
- 2
- 山梨県立中央病院・消化器内科
- 3
- 東京大
当院は,県内唯一の都道府県がん診療拠点病院であり,高度救命救急センター,総合周産期母子医療センター,がんゲノム医療拠点病院を併設し,地域の高度医療を支える中核病院である.山梨県の高齢化率は31.6%と全国平均を上回り,急性期医療から在宅療養までの円滑な移行を実現するため,多職種連携の強化が不可欠となっている.【方法】当院では,多職種連携によるシームレスな医療提供体制を構築するため,患者支援センターの強化,医療機関への直接訪問,多職種連携による退院支援の3つの施策を推進している.【結果】1.患者支援センターの強化:従来の医療連携機能を拡充し,入院支援科・地域連携科・在宅支援科・退院支援科を新設.専従の看護師やMSW等を配置し,退院後の療養環境を見据えた支援を強化した.その結果,在宅療養支援の件数は3年間で3倍に増加し,退院後の医療継続率が向上した.2.医療機関への直接訪問:地域医療機関との連携を強化するため,医師会や訪問看護ステーション,地域包括支援センターを訪問し,情報共有や退院後支援体制の構築を進めた.また,オンラインや対面訪問を併用し,地域の連携登録医(488)との情報交換を活発化.その結果,地域医療機関からの紹介率が83.4%に向上し,逆紹介率の増加にも寄与した.3.多職種連携による退院支援:患者の在宅復帰を円滑にするため,訪問看護指示書の発行数が2.3倍に増加し,地域医療機関との事例検討会を開始した.特に消化器内科では,在宅支援件数が年間100件から300件に増加し,地域での消化器疾患管理の充実に貢献している.また,後方支援病院との連携を強化し,退院後の療養先調整が迅速化し,患者の療養生活の質の向上に繋がった.【結論】当院は,高度急性期病院としての医療を維持しながら,地域医療機関との重層的な連携を強化している.地域包括ケアへの貢献と今後の超高齢社会において院内外の垣根を超えた"outreach"戦略の重要性を提唱する.