メディカルスタッフプログラム1(JDDW)
10月31日(金) 9:00–12:00 第13会場(神戸国際会議場 国際会議室)
MS1-9

内視鏡業務に従事する臨床工学技士・臨床検査技師にタスク・シフトが与える影響

鈴木 咲子
浜松医大附属病院・医療機器管理部
【目的】日本は超高齢社会を迎え,医療の需要が高まる一方で,医療人材は労働力不足に陥っている.人材確保だけではなく定着も課題で,ライフスタイルに合わせた業務環境整備が重要である.医療従事者の働き方改革では,多職種間のタスク・シフトが推奨されているが,受ける側の事情が十分に検討されていない.本研究では内視鏡診療でタスク・シフトを受ける側の臨床工学技士,臨床検査技師のワークエンゲージメントを調査した.
【方法】当院および関連施設で内視鏡業務に従事する臨床工学技士,臨床検査技師20名を対象に,自己報告式質問紙を用いて,臨床工学技士・臨床検査技師のプロフィール,労働環境,ユトレヒトワークエンゲージメント尺度(UWES),R.O’Donovanの心理的安全性尺度(OPSS)などについて集計し,Mann-Whitney U検定,Spearmanの相関係数などを用いて評価した.
【結果】対象者のUWESは,性別(p=0.303)と年齢(p=0.976)による差を認めなかった.消化器内視鏡技師免許を取得している者(p=0.208),内視鏡検査の介助(p=0.349)や生検(p=0.098)の施行群のUWESの中央値は,有意差を認めないものの,非施行群より高かった.自身の生産性(r=0.444),内視鏡業務のやりがい(r=0.350),業務全般のやりがい(r=0.475)およびOPSS(r=0.365)はUWESと正の相関を示した.一方で,機器管理(r=-0.264)や洗浄業務(r=-0.440)はUWESと負の相関を示し.業務全体に占める内視鏡業務割合の増加(r=-0.622)もUWESと強い負の相関を示した.
【考察】本研究は,内視鏡業務におけるタスク・シフトがワークエンゲージメントに与える影響について検討した初めての試みである.臨床工学技士や臨床検査技師のワークエンゲージメントは,心理的安全性や業務のやりがいに関連することが示された.機器管理,洗浄業務,業務量の増加がワークエンゲージメントを低下させるため,業務のバランスを取ることが重要である.
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