デジタルポスターセッション内036(消化器内視鏡学会)
10月28日 15:38–16:20 第15会場(マリンメッセ福岡 アリーナ デジタルポスター会場)
内P-181

潰瘍性大腸炎の活動性評価に対するLRGの有用性についての検討

田中 啓仁1
共同演者:秋元 遥1, 森 聡志1, 前田 将久1, 荒木 紀匡1, 藤野 悠介1, 小牧 蕗子1, 矢野 弘樹1, 前田 英仁1, 小牧 祐雅1, 佐々木 文郷1, 田ノ上 史郎1, 橋元 慎一1, 上村 修司1, 井戸 章雄1
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鹿児島大大学院・消化器疾患・生活習慣病学
【目的】潰瘍性大腸炎 (UC) の長期治療目標は,臨床的寛解から粘膜治癒へと変化した.それには内視鏡を要するが,患者負担が大きく,頻回の内視鏡は困難である.CRPは,内視鏡的活動性を評価するには感度が低く,CRP正常であっても粘膜治癒を達成出来ていない症例を多く経験する.2020年に保険承認されたLRG (leucine-rich repeat) は,肝細胞や好中球のほか腸管上皮からも産生されるため,CRPよりも腸管特異的であると推測されている.UC患者においてLRGはCRPに比し,臨床的,内視鏡的活動性と高い相関を示すとされるが,実臨床での報告はまだ乏しい.今回,当施設におけるUC患者の臨床的および内視鏡的活動性とLRGの相関をCRPと比較し検討した.加えてLRGが内視鏡的粘膜治癒 (MH) を確認するためのバイオマーカーになり得るかを検討した.
【方法】2021年5月から2022年3月当科通院中で,LRGを測定したUC患者 (69人,94例) を対象とした.1) Partial Mayo score (pMayo) とLRG,CRPの相関,2) Mayo endoscopic Subscore (MES) とLRG,CRPの相関を,Spearman順位相関係数 r を算出し比較検討した.さらに3) MHを分けるLRG,CRPのROC-AUCを比較検討した.内視鏡評価対象は,LRG測定前後3ヶ月以内に行ったもの,粘膜治癒の定義はMES 1点以下とした.
【成績】1) pMayoとLRG,CRPのrは,0.542 (p<0.001) ,0.402 (p<0.001) だった.2) MESとLRG,CRPのrは,0.477 (p<0.001) ,0.381 (p=0.007) だった.3) MHに対するLRG,CRPのAUCは,0.745 (感度 0.500,特異度 1.000) ,0.699 (感度 0.464,特異度 0.850) だった.
【結論】LRGはCRPに比し,臨床的および内視鏡的活動性とより強く相関した.また,LRGが粘膜治癒を確認するためのバイオマーカーになり得る可能性が示された.
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