デジタルポスターセッション内045(消化器内視鏡学会)
10月28日 15:55–16:23 第15会場(マリンメッセ福岡 アリーナ デジタルポスター会場)
内P-225
悪性遠位胆管狭窄に対するcovered self-expandable metallic stent (cSEMS)の検討
橋詰 清孝1
共同演者:渡邉 一正1, 國井 伸1, 石川 大介1, 坪内 達郎1, 加賀 充朗1, 越山 彩香1, 山田 訓也1, 上田 錠1, 宮崎 聖大1, 宇都宮 節夫2
- 1
- 海南病院・消化器内科
- 2
- 海南病院・腫瘍内科
【背景】悪性腫瘍による遠位胆管狭窄に対してcSEMSは広く用いられている.cSEMSは偶発症の問題もあるがplastic stentに比べてステント開存期間が長くステント交換も可能である.【目的】当院での遠位胆管狭窄に対するcSEMS留置の使用成績と有効性について後方視的に検討した.【方法】2019年1月から2021年12月までに悪性遠位胆管狭窄に対してcSEMSを留置した65例141件を対象とし,1)患者背景,使用したステント,偶発症,Recurrent Biliary Obstruction(RBO)とtime to RBO(TRBO),2)各ステントの偶発症とRBO・TRBOの比較,3)cSEMSの初回留置例とステント交換例の比較について検討した.当院使用のcSEMSはWallFlex(Boston Scientific),HANARO(Boston Scientific),duckbill-type anti-reflux metal stent (DARMS)(SB-KAWASUMI)である.【成績】1)年齢中央値79歳,男女比30:35,原疾患は膵癌38例,胆管癌11例,胆嚢癌3例,乳頭部癌10例,その他3例.ステント交換は36例(76件)であった.使用したステントはWallFlex/ HANARO/DARMS 60/71/10例であった.偶発症はステント交換時に食道と十二指腸に裂創を2例に認め(DARMS交換時2例),ステント留置後偶発症は膵炎13/141(9.2%),胆嚢炎1/141(0.7%),ステント逸脱13/141(9.2%),ステント迷入2/141(1.4%)であった.RBO は83件でTRBO中央値は140日であった.2)各ステント間の比較では偶発症やRBO・TRBOに有意差はなかった.3)初回留置65例とステント交換36例(76件)の比較では偶発症が初回留置例に多く(23:6,P<0.001),ステント交換例のほうがDARMSの使用件数が多かった(P=0.0256).【結論】悪性遠位胆管狭窄に対する各ステントの治療成績は同等であった.初回留置例と比較し,ステント交換例では偶発症は少なく安全に行えることが示されたが,DARMSの交換ではステント抜去時に食道や十二指腸に裂創をきたしており注意が必要である.
- 索引用語1:遠位胆管狭窄
- 索引用語2:胆管金属ステント