デジタルポスターセッション消002(消化器病学会)
10月27日 14:38–15:08 第15会場(マリンメッセ福岡 アリーナ デジタルポスター会場)
消P-9

PPI関連胃底腺ポリープにおけるTXIの有用性

内田 涼太1
共同演者:竹田 努1, 上山 浩也1, 岩野 知世1, 宇都宮 尚典1, 鈴木 信之1, 阿部 大樹1, 沖 翔太朗1, 池田 厚1, 赤澤 陽一1, 上田 久美子1, 北條 麻里子1, 八尾 隆史2, 永原 章仁1
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順天堂大・消化器内科
2
順天堂大・人体病理病態学
【目的】プロントポンプ阻害薬(Proton Pump Inhibitor: PPI)の長期投与に伴うPPI関連胃底腺ポリープ(PPI-FGP)は,通常の胃底腺ポリープより大きく,水腫様外観を呈することが知られている.近年,Texture and Color Enhancement Imaging (TXI)が登場し,色調と構造の強調により病変の視認性向上が期待されている.今回,PPI-FGPの水腫様外観の視認性をWLIとTXI mode1(TXI-1),TXI mode2(TXI-2),Narrow Band Imaging(NBI)で比較検討した.【方法】2020年4月から2022年3月までにWLI,TXI-1,TXI-2,NBIを用いた上部消化管内視鏡を受けた患者で,生検組織検査によりPPI-FGPと診断された15症例,19病変を対象とした.患者の平均年齢は71.5歳(51~84歳,男性8名,女性7名)であった.10名の内視鏡医(専門医5名,非専門医5名)が,19病変の内視鏡画像において水腫様外観の視認性をWLIとTXI-1,TXI-2またはNBIで比較し,5段階(視認性向上5,やや向上4,同等3,やや低下2,低下1)で評価した.40点以上を視認性向上,21-39点をWLIと同等,20点未満を視認性低下とした.また,評価者間の信頼性(級内相関係数:ICC)も評価した.【成績】WLIと比較してTXI-1:73.6%(14/19),TXI-2:73.6%(14/19)で視認性向上を認めた.NBIでは89%(17/19)で視認性低下を認めた.TXI-1,TXI-2のICCは共にalmost perfectであった.また,専門医と非専門医のICCはTXI-1,TXI-2いずれもalmost perfectであった.また,水腫様外観の中でTXIにより明瞭に視認された内視鏡所見として灰色透見像を見出し,病理組織学的に粘液などを含む表層直下の拡張腺管であることが示唆された.【結論】水腫様外観は,TXIでは灰色透見像として視認され,WLIと比較し専門医,非専門医共にTXI-1,TXI-2で視認性向上を認めた.また,非専門医と専門医の評者間信頼性も良好であった.
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