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メディカルスタッフプログラム1(JDDW)
11月23日(土) 9:00~12:00 第13会場:神戸国際会議場 国際会議室
MS1-7指
群馬県における地域の多職種連携への取り組み
小川 哲史1, 小川 祐介2, 吉野 浩之3
1国立高崎総合医療センター・外科, 2国立高崎総合医療センター・NST, 3群馬大・教育学部障害児教育学
【はじめに】群馬県では,群馬NST研究会やNPO法人PDN(Patient Doctors Network)等を通じて,県内の10の2次医療圏を基本とし地域における栄養療法の普及や連携の構築に努めてきた.今回,それらの取り組みから見た在宅医療における多職種連携の在り方を検討した.【地域全体での知識と技術の向上,連携に向けての取り組み】2003年に「群馬NST研究会」を設立した.本会の世話人は,NSTが活動している施設の様々な職種の医療従事者とし,医師に偏らないように構成した.定期の学術研究会は,様々な職種の当番世話人がテーマや特別講演,一般演題を決定している.毎回300人以上の参加者があり,比較的経験の少ない人の臨床経験の発表や新しい栄養管理を紹介する場となっている.またNST専門療法士も自発的に研究会を立ち上げ,研修会や勉強会を通じて質の向上に努めている.PDNの群馬県支部として,2006年「ぐんま栄養療法ネットワーク」を設立し,各医療圏単位での多職種による「顔と人柄の見える地域連携」を目指し,セミナーや市民講座の開催,その他様々な活動を行っている.活動内容は地域ごとに異なり,認知症や身体拘束,終末期医療など栄養療法の枠を超えたテーマへも取り組みを広げており,地域連携パスなどの共通ツールや終末期における事前指示書の作成・使用なども行っている.【在宅患者サポートの取り組み】当院では在宅患者に対する適切な栄養管理を継続的に行うため,2016年に栄養サポート外来を開設し,拒食症やALSなどの在宅患者を訪問看護ステーションなどとも連携し多職種で管理している.また来院困難な在宅胃瘻患者に対し,在宅での胃瘻カテーテル交換も行っている.【まとめ】今後は超高齢社会の進行に伴い,さらに広い視点での多職種連携が必要で,特に医療・介護・福祉をつなぐ地域包括ケアシステムの構築が求められている.そのためには各医療機関,医療従事者の知識や技術の向上と,多職種による地域連携や在宅患者サポート体制の構築が必要と考える.
索引用語 1:栄養療法
索引用語 2:多職種連携
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