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メディカルスタッフプログラム1(JDDW)
11月23日(土) 9:00~12:00 第13会場:神戸国際会議場 国際会議室
MS1-4指
医療と介護を繋ぐ地域一体型NSTの役割について考察する
田崎 亮子1, 菊池 暢之2, 田島 正晃2
1新別府病院・栄養管理室, 2新別府病院・外科
当院はERを有する263床の地方の急性期病院である.NST活動を全科型で開始し16年目になる.NSTカンファレンス・回診を病棟毎に毎日実施.静脈・経腸栄養管理に問題が有る症例や経口摂取量不十分ならNSTへとスムーズに繋ぐ流れが作られ,経口・経腸・静脈栄養を駆使したNST活動を展開してきた.管理栄養士は全員NSTメンバーであり,病棟担当制とし,病棟内の全カンファレンスに参加し情報の収集を行いNSTへ繋ぐ.しかし今,超高齢社会を背景にNST活動も変遷期にある.当院は,3次救急病院であり極度の低体重で介護施設や在宅から救急搬送される患者が少なくない.DNAR情報の連携不足や意思決定の困難症例も多く,地域にてACPの議論を深めていかなければ,望まれない医療が提供されているケースも散見される.20kg台の体重でERに救急搬送され,心肺蘇生・挿管,ICU入室.経鼻胃管のままでは施設に入所できないと胃瘻造設.胃瘻バッシングが無くなる筈もない.病態を見極め,本人・家族の意向を踏まえ今後の栄養管理をどのように進めていくのか,病態のステージ・人生のステージに向き合った最適な栄養管理の支援が必要な高齢者が増えている.一方,院内にNSTの浸透が不十分な施設では,相変わらず栄養管理の恩恵を受けられないまま患者が放置されている現状も見聞きする.医療が高度化して命は助かるが,その後の公的支援がなければ生きていけない高齢者がたくさん,病院から在宅・介護施設に退院していく.患者の入院前の情報収集の徹底と入退院支援システムがソフト面でもハード面でも充実することが重要で,現在当院でも急ピッチで再構築中である.平成30年度の同時改定で医療介護の患者情報の連携に様々な点数の創設や変更があった.病院のNST情報を在宅や介護施設に繋げる大きなチャンスが来た感が有る.今まさに地域一体型NSTの構築が急がれ,地域にNSTのノウハウを浸透させることが,超高齢社会を乗り切る重要な手立てになると考える.
索引用語 1:NST
索引用語 2:地域連携
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