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メディカルスタッフプログラム2(JDDW)
11月3日(土) 14:00~17:00 第11会場:ポートピアホテル南館 トパーズ
MS2-1
特定行為を実践可能な看護師の育成に関する課題
見城 明1,2, 丸橋 繁1,2, 鈴木 弘行1
1福島県立医大・看護師特定行為研修センター, 2福島県立医大・肝胆膵・移植外科
【はじめに】高齢者人口の増加に伴い,消化器外科手術件数も年々増加しているが,外科医師は増加せず,医行為のタスクシェア・タスクシフトも検討されている.厚生労働省は,高齢化社会への対応として,特定行為を実施可能な看護師養成する初めての研修制度を定め,2015年より全国で施行している.特定行為研修修了者は,従来の医師からの直接指示で行う診療の補助とは異なり,医師からの包括的指示書である手順書を基に,自身で患者の状態や手技の難易度を評価し特定行為実践の可否を判断することが求められる.消化器外科領域では,周術期管理や外来・在宅診療など患者に応じた多様な業務(血糖コントロール,動脈血液ガス分析,創傷管理,人工呼吸療法,ろう孔管理,栄養・水分管理,等)があり,看護師が特定行為を実践することへの期待は大きい.【目的】本学では,2017年より18区分32医行為に関する看護師特定行為研修を開始した.本学で実施した研修の経験から,研修を修了した看護師が臨床現場で特定行為を実践するために解決すべき課題について検討することを目的とした.【結果】研修生は,他施設所属が90%であり,勤務を継続しながら,研修修了後に自施設での実践が期待される区分を選択して受講し(2区域(中央値),1~5区分),受講生のほとんどが自施設で実習は行っておいなかった.研修修了後,自施設で特定行為を実施するためには,施設内での周知を図り,十分な管理体制の下,指導医の下で実践を繰り返し,相互の信頼関係を構築しながら,段階的に業務を拡大することが安全な導入につながると考える.一方,研修修了後に看護師が特定行為を実践しても診療報酬に反映されないため,受講生が増えないという意見も聞かれる.今後の医療提供体制を考慮し,社会的な環境整備を求める必要もある.【結語】特定行為を実践可能な看護師の育成には,協働する医療者の理解が重要であり,安全を担保しながら段階的に業務を拡大すべきである.本制度を定着させるためには,社会的環境の整備を検討する必要がある.
索引用語 1:看護師
索引用語 2:特定行為
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