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メディカルスタッフプログラム1(JDDW)
11月3日(土) 9:00~12:00 第11会場:ポートピアホテル南館 トパーズ
MS1-5
地域包括ケア時代における大学病院での多職種による入退院支援の取り組み
坂本 ゆり1, 廣岡 昌史1, 日浅 陽一1
1愛媛大附属病院・総合診療サポートセンター
本県は高齢化率が30%を超え,当院においても消化器疾患をはじめ多くの診療科において入院患者の高齢化が顕著となっている.高齢者が退院後も入院前と同様に地域で生活するためには院内外の多職種による円滑な支援が必要である.多職種が連携するためのプラットフォームとして,当院は平成25年に総合診療サポートセンターを設立し,現在62名の院内スタッフで運営を行っている.【目的】当センターでの取り組みを提示しその支援効果を示す.【取り組みと効果】職員の内訳は医師3名,看護師25名,社会福祉士8名,心理士6名,歯科衛生士1名,遺伝カウンセラー1名,医療メディエーター1名,事務職員8名,移植・難病コーディネーター(上記と兼任で2名)の53名.これに加え薬剤師1名,栄養士1名,理学療法士1名,事務6名が兼任で配置されている.センターでは入院前から退院後までシームレスな支援をモットーに以下の取り組みを行っている.1)入院が決定した段階で本人,家族と面談し医療上の問題,生活ケア上の問題,意思決定上の問題などを聞き出し支援の必要な患者のトリアージを行う.2)高齢者にはADL維持のための当院独自の体操を入院前から指導する.3)多職種連携カンファレンスを通じて患者への支援方法を決定する.4)退院支援加算1に準じた退院調整を病棟スタッフとともに行う.5)院外の多職種とカンファレンスを行い,後方連携を行う.これらの他にかかりつけ医キャンペーン活動や連携病院への訪問,院内の意思統一のための全ての医局への訪問を年1回行っている.これらの取り組みにより,当院の在宅復帰率は90.2 %となっている.また逆紹介率は54.7%から65.7%に向上した.退院支援までのセンターへの依頼件数は設立当初の2060件から2889件まで増加し,退院支援依頼までの日数も15.5日から5.5日までに短縮した.【結論】多職種による患者目線の入院前から退院後までの円滑な支援を実現することで在宅復帰率,地域への逆紹介率の上昇を実現し,大学が担うべき高度急性期医療の質を高めることが可能である.
索引用語 1:多職種連携
索引用語 2:入退院支援
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