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メディカルスタッフプログラム1(JDDW)
10月14日 (土)  9:00 - 12:00   第7会場:福岡国際会議場 409+410
MS1-7指
診療科別担当管理栄養士と栄養サポートチーム活動
中濱 孝志1, 望月 宏美2, 比企 直樹2
1がん研有明病院・栄養管理部, 2がん研有明病院・消化器外科
【目的】がん専門病院の当院では,周術期の栄養管理に管理栄養士が外来から入院まで積極的に関っている.がん種により治療が異なるため,診療科別の病棟担当管理栄養士を配置し,専門的に栄養管理を行なっている.今回,頭頚科と消化器外科の管理栄養士のNST活動と臨床研究の結果について報告する.
【方法】頭頚科の管理栄養士は,摂食嚥下リハビリと経腸栄養管理を中心にNST活動を行っている.消化器外科は上部消化管に1名,下部消化管と肝胆膵に1名の管理栄養士を配置し,周術期管理チームの中で栄養指導とNST活動を行っている.これらの臨床活動の中で管理栄養士に生じたclinical question(CQ)は,頭頚科でCQ1.嚥下訓練食を改定して安全性と在院日数に違いは出たか.消化器外科でCQ2.膵癌術後で補助化学療法が遅れるリスク因子は何か,CQ3.胃癌術前検査と欠食による栄養状態の関連性はあるか,について調査しまとめた.
【成績】CQ1.嚥下訓練食を改定して誤嚥性肺炎の発症に違いがあったか.改定前34例 vs.改定後43例では,20.% vs.16.3%(p=0.63)と増加することなく安全に提供できた.また,在院日数に違いは出たか.39日 vs.34日(P=0.03)と有意に短縮された.CQ2. 膵頭十二指腸切除術後の補助化学療法開始が遅れるリスク因子として139例の多変量解析の結果,65歳以上の高齢,術前筋肉量の低下,術後14日目の経口摂取量低下が抽出された.CQ3.胃癌の術前検査の欠食回数とアルブミンの変化に関連性があるか.欠食回数1~3回の77例と4~8回の130例では,-2.3% vs.-4.7%(p=0.03)と欠食回数が多いと低下率も大きかった.
【結論】NST活動で生じるCQについて,管理栄養士が多職種と共同で調査・研究することで新たな発見がある.そしてそれらを発信していくことで,患者の栄養管理の質の向上が図られ,患者の治療に貢献できると思われる.
索引用語 1:管理栄養士
索引用語 2:NST
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