JDDW 2017 Close
メディカルスタッフプログラム1(JDDW)
10月14日 (土)  9:00 - 12:00   第7会場:福岡国際会議場 409+410
MS1-1指
術後回復促進策に基づく周術期支援
谷口 英喜1, 牛込 恵子1, 竹之内 正記1
1済生会横浜市東部病院・周術期支援センター
当院では専従医師およびパラメディックより運営される周術期支援センターが開設された.平均在院日数が8日前後である当院では,手術前日入院が多い.このため,入院前に情報収集が十分に行われ,必要に応じて栄養,口腔外科的な介入,呼吸リハ,PONV,せん妄や血栓塞栓リスクの情報提供がのぞまれる.また,在院日数の短縮を維持するためには患者も一体となった術後回復促進策の導入が必要不可欠である.特に,術後早期からの経口摂取および離床(Early Drinking, Eating, Mobilizing : Dream)が在院日数を短縮することが明らかにされている.当院では,Dreamの実現に向けて(Dream Project),手術準備外来チーム,術前経口補水療法チームおよびAcute Pain Service team(APS)を組織とした周術期支援センター(TOPS)が周術期支援をERASに準じた管理として実施している.特に,栄養管理と疼痛管理に重点を置いた管理で術後早期のDREAM達成を目指している.栄養評価も看護師,管理栄養士,歯科衛生士,薬剤師および医師により実施され,外来にてカンファランスが行なわれ術前の栄養プランを含めた提案が行なわれる.栄養プランに関しては,主治医より直接介入の同意が得られているために栄養指導,ONS処方が必要に応じて実施される.栄養に関しては入院後NSTにスムースに情報が伝達するようにデータベースを共有している.術後のDREAMを達成させるために,術前から早期経口摂取の必要性を教育し,PONVのハイリスク症例を抽出し麻酔科医に伝達して予防策が講じられる.術後は,APSにより疼痛管理とPONV対策が行なわれ,術後早期にDREAMを達成させる取り組みを行なっている.在院日数が短縮された現在,周術期の栄養支援はNSTによる入院中の栄養介入だけでは十分ではなく,可能な限り術前に栄養介入が実施されることが望ましい.本セッションでは,さらなる手術成績の向上を目指した周術期における栄養管理に関して議論を進めたい.
索引用語 1:術前栄養介入
索引用語 2:術後回復促進
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