メディカルスタッフプログラム

メディカルスタッフプログラム4(消化器外科学会)

10月10日 (土) 14:00-17:00 第12会場:グランドプリンスホテル高輪/クラウンルーム

外MS4-6指
難治性瘻孔とストーマの良好な管理に向けた介入
~消化器外科,形成外科,WOCNによるチーム医療~
松岡 美木
埼玉医大病院

【事例】60代,男性.下行結腸癌イレウスによる上行結腸穿孔のため拡大右半結腸切除術を施行.術後縫合不全を発症し回腸人工肛門造設術を施行,正中創は皮膚・皮下組織は開放の状態で管理を行っていた.開放創から便汁の排液が生じ,皮膚・排泄ケア認定看護師(以下WOCN)に創部管理のコンサルテーションがあり,介入を開始した.本発表は倫理委員会の承認を受けた.【経過】 開放創の2カ所から排液をみとめ消化器外科医師に密閉吸引療法を提案し,管理を開始した.開放創は閉鎖したが瘻孔が残存する結果となった.そして皮膚のたるみと正中創の瘢痕組織の影響でストーマ周囲に生じる皺と瘻孔からの排液の影響でストーマ局所の管理に難渋した. 術後約6ヶ月に唇状瘻管閉鎖術,瘻孔縫合閉鎖術を施行.しかし瘻孔は再発し,再びストーマ管理,瘻孔管理に難渋した.瘻孔は腸管皮膚瘻,胃皮膚瘻と診断され,保存的治療では閉鎖が期待できないため,再度瘻孔閉鎖術を実施することになった.しかし瘻孔閉鎖術のみでは皮膚のたるみ,ストーマ周囲の皺の改善は期待できないため,瘢痕組織の切除と皮弁形成を形成外科医師に依頼することを提案した. 形成外科カンファランスで症例の経過の説明をWOCNが行い,ストーマ管理を良好にするためストーマ周囲の皮膚のたるみの修正を依頼した.画像と腹部の状態から修正可能と判断され,術後約10ヶ月に瘻孔縫合閉鎖術,皮弁形成術が消化器外科医師と形成外科医師合同で行われた.手術にはWOCNを参加し,ストーマ周囲の皮膚の修正は相談しながら実施された. 術後瘻孔は再発すること無く,ストーマも安定した管理が行えるようになった.【まとめ】 今回の症例は術後初期の段階から開放創,瘻孔,ストーマの管理にWOCNが介入をしたことで,経過や問題点の把握が確実に行えた.これにより問題点を解決できるような提案や調整を消化器外科医師,形成外科医師に対して行え,最終的に瘻孔閉鎖,ストーマ局所管理の確立に至ったといえる.

索引用語 1:ストーマ
索引用語 2:瘻孔

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