8日 14:00-17:00 第10会場
公募・一部指定
武藤 学 | 京都大大学院・腫瘍薬物治療学 |
郷田 憲一 | 東京慈恵会医大・内視鏡科 |
これまで発見が困難だった頭頸部癌は,Narrow-band imaging(NBI)の登場により早期発見が可能になった.また,ヨード染色により早期発見が可能だった表在型食道癌も,NBIに代表される画像強調法の登場によりヨードによる刺激やアレルギーなどを回避して低侵襲に発見できるようになった.これら早期発見された表在型頭頸部癌,食道癌は,経口的内視鏡切除が行われるようになり,臓器温存・機能温存の治療が可能となった.一方,頭頸部および食道には多発性の扁平上皮癌が発生することがfield cancerization現象として知られており,臓器温存は,癌の発生母地を残すため,他臓器を含めた異時性多重癌の発生が大きな課題となった.欧米の食道癌の半数以上を占めるバレット食道癌は,わが国ではまだ多くはないが,早期発見される症例は増えてきている.しかし,扁平上皮癌のような長期成績や治療適応に関するエビデンスはまだ少なく,今後明らかにすべき課題である.内視鏡治療された表在型頭頸部癌,食道癌においては,その深達度や脈管侵襲などにより少なからず追加治療(外科治療,放射線治療,抗がん薬治療など)が必要な場合もある.しかし,その長期成績についてはまだ十分なエビデンスはない.本セッションでは,これらの課題を含め,長期成績の視点から再発危険因子,予後因子,治療適応,最適な追加治療ストラテジーなどについて議論したい.また,集学的診療が必要な領域であることから,消化器内科,消化器外科,放射線科,腫瘍内科,耳鼻咽喉科(頭頸部外科),病理から広く演題を募集する.
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