23日 14:00-17:00 第13会場

公募・一部指定

ワークショップ 3

急性肝不全:予後向上を目指す新規治療法の展望
司会 持田 智 埼玉医大・消化器内科・肝臓内科
  井戸章雄 鹿児島大大学院・消化器疾患・生活習慣病学
厚労省研究班が実施している急性肝不全の全国調査によると,肝炎症例のうち昏睡型に相当する劇症肝炎とLOHFは,肝移植実施例を含めても2010年以降になって救命率が低下している.予後はB型キャリアと自己免疫性症例で特に不良で,前者ではde novo B型肝炎が未だ根絶できていない.一方,肝炎以外の症例では,非昏睡型であっても救命率が低く,昏睡例でも肝移植実施例が稀である.ステロイドパルス,抗凝固療法,核酸アナログなどの内科的治療は普及した.また,人工肝補助療法も進歩してon-line HDFも導入されつつある.しかし,急性肝不全の予後は改善せず,肝移植の実施も拡充できないのが現状である.この状況を打開するためには,急性肝不全の病態を整理し,既存治療の体系を調整する必要がある.また,開発途上の新規治療法も,積極的に導入するtranslational researchを実施しなくてはならない.今,この分野で専門医と研究者が何をすべきか.本ワークショップではその可能性を探りたい.

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