24日 9:00-12:00 第1会場

公募・一部指定

シンポジウム 8

HP研究の新時代 —病態生理から除菌まで—
司会 杉山敏郎 富山大・3内科
  村上和成 大分大・消化器内科
2013年2月にH. pylori(HP)感染胃炎の除菌が保険適用となり,HP感染者の総除菌時代が到来している.近い将来,胃癌の抑制や撲滅が期待されるが,未だに多くの胃癌が発症しているのが現状である.HPに関する基礎・臨床研究について多くの知見が集積されてきたが,除菌が本格化するこれからが新時代とも考えられる.HP感染による胃炎・胃癌の発生機序については菌側の病原因子,細胞内シグナル,ゲノムおよびエピゲノム異常,幹細胞との関連など多くの研究が進んでいる.また,臨床分離株の全ゲノム配列解読が進むにつれて,胃・十二指腸疾患だけでなく,ITPなど胃外疾患の病態との関連が解明される可能性もある.HP除菌後は,胃粘液,胃酸分泌,粘膜の炎症・萎縮など様々な病態生理学的,病理学的,分子生物学的な変化が起こることが示されているが,機能的疾患,除菌後胃癌発症のリスク因子等に関するエビデンスも十分ではない.さらに,除菌治療が盛んになると三次除菌対象者の増加も予想され,その対策も必要である.今回「HP研究の新時代」をテーマとして,これまでの基礎・臨床研究を見直し,数多くあるHP関連疾患の病態の解明ならびに的確な除菌治療とその後の変化,そして,これからの展開も視野に入れた演題を募集する.

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