26日 9:00-12:00 第6会場

公募・一部指定

シンポジウム 16

潰瘍性大腸炎術後の諸問題
司会 岩男 泰 慶應義塾大・予防医療センター
  池内浩基 兵庫医大・炎症性腸疾患外科
潰瘍性大腸炎(以下UC)の手術適応は難治,癌/dysplasia,重症・劇症に分類される.手術の目的は救命とQOLの向上である.術後早期のQOLを左右する要因としては,排便回数とsoilingの問題がある.多くの症例では術後3ヵ月程度で安定するのが一般的であるが,症状の回復が不十分な症例も存在する.一方,長期的な問題点で最も頻度が高いのが回腸嚢炎である.回腸嚢炎の発症率は,欧米の症例よりも低いと報告されているが,約1/3の症例が難治性となり治療に難渋する.また,以前は経験することのなかったような,胃・十二指腸や小腸にUC類似の病変を生じ,大出血や穿孔のために治療に難渋した症例の報告が増加している.さらに,腸管合併症として認識されている関節炎や壊疽性膿皮症も,術後に増悪することもある.術後早期の問題点,長期的な問題点ともに,症例を共有することにより,治療法への道筋をつけることができれば幸いである.

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