10月23日(木) 15:30–16:05 第15会場(神戸国際展示場3号館 デジタルポスター会場)
肝P-71

肝細胞癌のBモード像および造影超音波検査による染影パターンと組織分化度の関係

橋本 健二1
共著者:中野 智景1, 青木 智子1, 高嶋 智之1, 坂井 良行1, 會澤 信弘1, 池田 直人1, 田中 弘教1, 岩田 恵典1, 榎本 平之1, 斉藤 正紀1, 廣田 誠一2, 西口 修平1, 飯島 尋子1
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兵庫医大病院・肝・胆・膵科
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兵庫医大・病理学(病院病理部門)
【目的】肝細胞癌(HCC)は多段階発癌をする事が多く,その過程で画像も変化していく.腫瘤内の血流動態は血管造影による動門脈血流の変化がよく知られているが造影超音波(CEUS)での報告は少ない.今回,CEUS動門脈血流の染影パターンおよびBモード像(CB)と組織分化度について検討した.【方法】2007年1月~2013年12月にCEUSを施行した肝腫瘤1852結節のうち,組織学的に診断した380結節が対象.男/女は245/135,平均年齢69歳,背景肝疾患(HCV/HBV/B+C/nBnC)は319/39/7/15,分化度(RN/DN/well/mode/poor)は2/20/97/245/16.BCを以下に分類(B分類)A)15mm以下の低エコー, B)高エコー, C)リング状高エコー, D)Nodule in nodule, E)15mm以上の低エコー, F)モザイクパターンとした.またCEUSを(ア)動脈血流(AF),門脈血流(PF)変化なし, (イ)AF低下,PF変化なし, (ウ)AF,PF低下, (エ)AF変化なし,PF低下, (オ)AF増加,PF変化なし, (カ)AF増加,PF低下に分類.1)B分類と分化度の関係.2)B分類と染影パターンの関係.3)腫瘍径とBCの関係.4)CEUSでAF低下した48結節のPFとKupffer相の検討を行った.【成績】1)分化度(RN/DN/well/mode/poor)(%), A)11/34/49/6, B)12/56/32/0, C)0/71/32/0, D)0/28/70/2, E)15/22/62/1, 2)ア/イ/ウ/エ/オ/カ(%), A)2/21/9/5/11/52 , B)11/19/5/3/16/46, C)20/20/7/7/7/40, D)20/7/0/2/31/40, E)11/12/5/1/15/56 , F)3/3/1/0/18/78.3)腫瘍径が増大するとB分類は進行し,分化度は低下した.ハローの有無で腫瘍径に有意差を認めた.4)分化度が低下するにつれPFの低下とKupffer相の染影低下の割合は増加していた.【結論】分化度が低下するとB分類は進行し,乏血性腫瘤ではPF低下の割合は増加した.