10月24日(金) 15:49–16:19 第15会場(神戸国際展示場3号館 デジタルポスター会場)
肝P-325

C型慢性肝炎に対する3剤併用療法治療時の耐性変異の検討

石井 昭生1
共著者:榎本 平之1, 中野 智景2, 由利 幸久1, 青木 智子1, 楊 和典1, 橋本 健二2, 高嶋 智之1, 坂井 良行1, 會澤 信弘1, 岩田 一也1, 池田 直人1, 田中 弘教1,2, 岩田 恵典1, 齋藤 正紀1, 飯島 尋子1,2, 西口 修平1
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兵庫医大・内科(肝・胆・膵科)
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兵庫医大超音波センター
【目的】C型慢性肝炎に対するペグインターフェロンα(PegIFNα)/リバビリン(RBV)とプロテアーゼ阻害剤を用いた3剤併用療法にて治療効果は上昇してきているが,依然としてウイルスが再燃する症例を認められる.そのような症例ではDirect antiviral agent(DAA)耐性が出現している可能性がある.今回われわれは,薬剤耐性変異ウイルスの出現について,IL-28Bの遺伝子多型,Core70/91アミノ酸変異,ISDR変異の関連も含めて検討した.【方法】当科でペグインターフェロンα(PegIFNα)/リバビリン(RBV)と第二世代を含むプロテアーゼ阻害剤による3剤併用療法を導入した108症例のうち,第二世代で治療した13 例(平均年齢56歳,男性2例,女性11例,初回治療7例,前回無効6例)を検討対象とした.うちウイルスが再燃した6症例(平均年齢52歳,男性1例,女性5例,初回治療1例,無効例5例)の変異株の出現の有無を検討した.また薬剤耐性変異株出現例のIL-28B遺伝子多型,Core70/91アミノ酸変異,ISDR変異について検討した.【成績】ウイルス再燃となった6例は全例耐性変異を獲得しており,IL-28Bは5例がTG type (Hetero),1例がTT type (Major-Homo),Core70番アミノ酸変異では3例がWild,2例がMutant,1例は測定不可,Core91番アミノ酸変異では3例がWild,2例がMutant,1例は測定不可,6例ともISDR変異数は0~1個であった.Q80Kはすべての症例で,R155Kは5例で,V36Aは1例で,R168Kは1例で耐性変異株が出現した.検討した中の1例は投与前から,Q80K ,V36Aでの耐性変異株を認められていた.【結論】少数の検討ではあるが,ウイルスの再燃を認めた症例は全例耐性変異が出現した.再燃例ではIL28Bの遺伝子多型ではHeteroが多く,難治例では耐性変異を生じやすいことが示唆された.