ワークショップ12

11日 9:00-12:00 第12会場

日常臨床のジレンマ−NASHかASHか?

公募

  司会 西原利治 高知大・消化器内科
    堤 幹宏 金沢医大・消化器内科
非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の病理像は炎症細胞浸潤や肝細胞壊死を伴うに留まる単純性脂肪肝、風船様肝細胞を認めるが肝線維化を伴わないNASH、肝線維化を伴うNASHに大別される。他方、アルコール性肝障害は単純性脂肪肝、アルコール性肝線維症、そして重篤な臨床症状をしばしば伴うアルコール性肝炎に分類される。臨床症状が大きく異なるためNASHとアルコール性肝炎の鑑別が日常臨床で問題となることはまずないが、肝臓の病理像から肝線維化を伴うNASHとアルコール性肝線維症とを鑑別することは容易ではなく、その鑑別は病歴に負うところが多い。また、本邦では肥満人口の増加に伴い、過量飲酒者の肝病変に対する肥満の影響が指摘されて久しい。そこで本ワークショップでは臨床的、実験的データを基に、この病理学的に類似する二つの病態の相同性や差異、鑑別法について検討すると共に、肥満やインスリン抵抗性のアルコール性肝障害に及ぼす影響や中等量飲酒肥満者の肝病変などについて研究の集約を図りたい。