パネルディスカッション6

10日 9:00-12:00 第8会場

消化吸収の側面からみた炎症性腸疾患の病態と栄養療法

公募・一部指定

  司会 畠山勝義 新潟大・名誉教授
    藤山佳秀 滋賀医大・消化器内科
炎症性腸疾患は、輻輳した遺伝的要因を背景として常在腸内細菌叢をはじめとした腸管腔内の環境要因に対する免疫応答の異常・変調により、腸管の慢性炎症を惹起するとともに腸粘膜の恒常性の破綻をきたす。このことは、腸管本来の重要な機能である生体維持に不可欠な栄養素等の消化吸収障害、ひいては小腸不全intestinal failureを招来することになる。本症の治療は抗TNFα抗体が導入されたことにより大きく変貌を遂げつつあり、さらに今後、新たな生物製剤あるいは分子標的製剤の登場が期待されている。本セッションでは、本症における消化吸収障害あるいは栄養障害の病態を、粘膜炎症や粘膜障害など様々な観点から議論することにより、栄養療法の視点を加味しての粘膜治癒を目指した本症の新たな治療体系の構築を提唱したい。