シンポジウム18

22日 9:00-12:00 第12会場

IgG4関連疾患の概念と診断

公募・一部指定

  司会 岡崎和一 関西医大・消化器肝臓内科
    神澤輝実 がん・感染症センター都立駒込病院・内科
本疾患は,自己免疫性膵炎にみられる特徴的な病理所見(密なIgG4陽性形質細胞とTリンパ球浸潤,線維化,閉塞性静脈炎)に類似する病変が,唾液腺(硬化性唾液腺炎),胆管(硬化性胆管炎),後腹膜腔(後腹膜線維症)などにもしばしば認められることより,新しい全身性硬化性疾患として1993年にわが国から提唱され,現在“IgG4関連疾患”として確立されつつある概念である。原因や予後は不明であるが,ステロイドの有効なことが多い。IgG4陽性細胞の浸潤臓器には,中枢神経系,甲状腺,肺,胆管,胃,十二指腸乳頭部,大腸,膵臓,肝臓,腎臓,前立腺,後腹膜腔,リンパ節などがある。線維化に乏しい涙腺やリンパ節病変は本疾患と考えられているが,胃,十二指腸乳頭部,大腸,肝病変では,コンセンサスが得られていない。本シンポジウムでは,消化器領域における各病変に対して本疾患としての妥当性を検討するとともに,疾患概念と包括的あるいは各臓器診断の確立のための現状と課題について議論したい。