シンポジウム11

21日 9:00-11:30 第3会場

消化器がんの発育速度と有効な検診間隔

公募・一部指定

  司会 樋渡信夫 いわき市立総合磐城共立病院 
    斎藤 博 国立がん研究センターがん予防・検診研究センター
有効ながん検診の間隔は,がんの自然史(発育速度の分布など)と検診法の感度がその決定因子といえるが,死亡・罹患を指標(エンドポイント)とした研究で初めて客観的に算出し得る。消化器がんに関しては現在,便潜血検査による大腸がん検診とエックス線検査による胃がん検診について一年あるいは二年の検診間隔まで死亡率減少効果があることが証明あるいは示唆されている。最近One-shotの大腸内視鏡検診の有効性も示されつつあり,今後,有効な検診間隔の最大年数,すなわち「何年まで有効か」という命題に対するエビデンスも重要となる。また胃がん検診に関しては内視鏡検診の有効性自体の根拠がなく,それを含め,早急に研究が必要である。消化器がん検診に関する,メタアナリシスを含め死亡・罹患率を指標とした研究,及びそれ以外の指標ながら自然史や検診法の感度などに関する一定の客観性が認めうる研究の積極的な発表を期待したい。