パネルディスカッション16

22日 14:00-17:00 第10会場

内視鏡下摘除後の大腸SM癌に対する対応

公募・一部指定

  司会 小西文雄 自治医大さいたま医療センター・外科
    松田尚久 国立がん研究センター中央病院・消化管内視鏡科 
近年,内視鏡機器およびデバイスの開発や技術の向上に伴い,早期大腸癌に対する内視鏡治療件数は増加している。一方,大腸癌治療ガイドラインでは,早期癌に対する治療方針の中で,主に同時性リンパ節転移リスクを考慮した形で,内視鏡摘除後の追加手術適応基準が掲げられている。しかし,内視鏡治療が施行された大腸SM癌における,その後の臨床経過および転帰(予後)についての十分な検証は行われていない。とくに,浸潤距離が1000μm近いSM浸潤癌や粘膜筋板が完全に断裂したSM微小浸潤癌に対する局所治療が,長期的にみても許容されるのかどうか?についての報告は少ない。また逆に,1000μmという基準では,多数の症例が不必要な手術治療を受けることにならないか?という問題もある。さらに,様々な肉眼形態を示す大腸SM癌の中で,有茎性病変と無茎性病変とを一律同じ扱いにするべきではないという報告もある。本パネルディスカッションでは,大腸SM癌に対する内視鏡治療後に,追加外科手術を施行した症例の手術成績・遠隔成績のみならず,内視鏡治療のみで経過観察されている症例における臨床経過・予後とそのサーベイランス法など,広く演題を募集する。外科医と内視鏡医の両方の立場から,大腸SM癌の治療戦略について討論してみたい。