肝臓学会 特別企画1

21日 14:00-17:00 第13会場

主題ポスター討論;我が国における非B非C肝硬変の実態調査

公募・一部指定

  司会 青蛛@豊 新潟大大学院・消化器内科学
    橋本悦子 東京女子医大・消化器内科
    西口修平 兵庫医大・肝疾患センター
特別企画「主題ポスター討論」では,本邦の非B非C肝硬変の成因別頻度と,その臨床像を明らかにすることを目的とする。肝硬変の成因別実態のテーマは過去4回主題演題として取り上げられ,統一した基準のもとに全国の症例が分類され集計されてきた。今回は,非B非C肝硬変を対象とする。その中でも特に,非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)はわが国の成人の約2割が罹患し,その一部が非アルコール性脂肪肝炎(NASH)として肝硬変に進行するのみでなく,他の病因による慢性肝障害に合併しその病態を修飾することが推測されて実態の解明が待たれる。非B非C肝硬変における年齢や性の特徴,肥満やメタボリック症候群の合併,飲酒(少量飲酒を含む)の影響やHBc抗体の関与,画像診断や組織診断による脂肪肝の合併の有無,発癌状況や予後について幅広い検討を期待する。集計にあたっては施設間での診断基準の統一のため,応募要領と基準を以下に記載した。この基準は第44回日本肝臓学会総会の肝硬変の成因別実態の診断基準を踏襲したものである。発表形式は,ポスター展示会場で掲示のみ行い、最後に発表者による総合討論を行う。応募施設には後ほど送付する成因別頻度の調査票にご記入いただき,全体の集計を行う予定である。多数の演題応募をお願いしたい。
【診断基準と応募要領】同じ立場で討論ができるように肝硬変の診断,成因分類の基準を便宜的に下記のように統一し,これに沿って成績をまとめる。 1.非B非C肝硬変の診断基準 HBsAg陰性,HCV 抗体かつHCV-RNA 陰性例(治療でHCV-RNAが陰性化した例は除外する)で臨床的に肝硬変と診断された症例とする。 2.成因の診断基準 ①NASH:下記の基準を満たす例(1)エタノール摂取1日20g以下(2)肝障害をきたす他の既知の原因が明らかでない(3)肥満(特に内臓肥満),メタボリック症候群,糖尿病の合併など,脂肪肝をきたしうる状態や合併症を有している。上記を臨床的疑診例として集計し,(1),(2)を満たし組織診断はないが脂肪沈着が画像で診断された例は画像診断例,組織で診断された例は組織診断例と明記する。 ②アルコール性:アルコール性肝硬変の診断基準(案)(雑誌「肝臓」1993;34:888-896)を満たす例 ③脂肪性:脂肪性肝障害(画像診断あるいは組織診断)を基盤にした肝硬変で,飲酒量が,エタノール摂取1日20gから70gまでの例 ④原発性胆汁性肝硬変:ステージIV ⑤その他の胆汁うっ滞型:原発性硬化性胆管炎とその他の胆汁うっ滞型肝硬変を含みそれぞれの頻度も示す ⑥自己免疫性肝炎 ⑦代謝性肝硬変:Wilson 病,Hemochromatosis,αl-antitrypsin欠損症などを明記する ⑧うっ血性 ⑨寄生虫感染 ⑩その他:成因が判明しているが上記に含まれない特殊なものは個々に記載する ⑪原因不明:上記以外