会長挨拶

第51回日本消化器病学会大会 会長
千葉  勉 京都大大学院・消化器内科学

JDDW2009は平成21年10月14日(水)から17日(土)までの4日間、国立京都国際会館、グランドプリンスホテル京都にて開催されます。JDDWは1993年に神戸で第一回が開催されて以来、本会で17回目を迎えますが、年々演題数、参加者も増加傾向にあり、すっかり定着してきました。今回も日本消化器病学会、日本消化器内視鏡学会、日本肝臓病学会、日本消化器がん検診学会、日本消化吸収学会の5学会が参加しますが、本会が有意義なものとなるように、すでに各学会で話し合いをすすめており、協力体制が構築されつつあります。

近年の医学医療の進歩の速度は計り知れません。遺伝子変異や遺伝子多型の検査がテステープで、短時間でできるようになる時代が迫っています。一方で画像診断の進歩も目を見張るものがあります。今回の第51回日本消化器病学会大会では、こうした新しい流れをできるだけ取り入れた主題を組んでいますが、その中でも特に消化器病の基礎医学の分野に力を入れました。それは基礎医学と臨床医学がともに高度に専門分化していきつつある時代にこそ、優れた医療をおこなうためには、医学の基礎知識の集積が極めて重要と考えるからです。

ところでJDDWが始まった経緯として、一つには消化器病の医学医療が非常に進歩し、各分野の専門分化進んで行くのに伴って生じる弊害を、学会を同時に開催することで修正していこう、という意図があったと聞き及んでいます。またもう一つには、わが国ではあまりにも学会が多いために、これを何とか統合して少なくしていこうという意図もあったように思います。特に後者については、私達の医療現場がより多忙になりつつある現在、非常に重要な課題となっています。私達医療関係者が学会に参加している間に医療現場が手薄になる、という問題点を克服するためにも、こうした当初の意図を再認識することは大切です。したがって各学会の独自性を生かしつつも、今後こうしたJDDWの精神がさらに大きく発展できるように、各学会のスタッフ一同努力する所存ですので、会員の皆様にも是非ともご協力をお願いする次第です。

10月という良い季節に京都でJDDWが開催されることは大変喜ばしいことです。会員の皆様には、この機会に、学問とともに、是非とも京都の秋を楽しんでいただくようお願いいたします。


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