PD22 大腸癌肝転移治療のコンセンサスの構築 16日 / 14:00-17:00 第11会場

司会: 有井 滋樹 東京医歯大大学院・肝胆膵・総合外科学
公募・一部指定
兵頭 一之介 筑波大大学院・消化器内科学
大腸癌肝転移に対しては外科切除と抗癌剤による化学療法が主たる治療法である.前者については5年生存率30−50%と他の消化器癌のそれをはるかに凌駕している.一方,化学療法ではFOLFOX, FOLFIRIのレジメンが導入され,これに分子標的薬であるベバシズマブを加えることにより生存期間中央値が20か月を超える成績が報告された.さらに,化学療法と切除を組み合わせることも試みられている.また,切除不能例に対する術前の上記レジメンにより10−30%の症例が切除不能から切除可能となったとの報告もある.ただ,このような化学療法の成績は殆どが欧米から発信されたものであり,わが国ではこれらの薬剤が保険収載という面において遅れをとり,人種差も考慮しなければならない化学療法において本邦独自のデータの集積は不十分である.このような背景を鑑みながら,本パネルディスカッションでは外科治療や上記レジメンはもちろん,5FU/ロイコボリン,カペシタビン,S-1などの治療成績,問題点,そしてこれらとベバシズマブとの組み合わせ,さらには肝動注の役割,意義などについてご発表をいただき,本疾患治療に対するコンセンサスを構築したい.多数の応募と実りある討議を期待する.

Close