会長挨拶
会長 有井 滋樹
第11回 日本肝臓学会大会
会長 : 有 井 滋 樹
(東京医歯大大学院・肝胆膵・総合外科学)
 このたびは第11回日本肝臓学会大会を主宰させていただく機会を賜り、大変光栄に存じますとともに大きな責任を感じております。
 日本肝臓学会は肝臓学、肝臓疾患を専門とする内科、外科、小児科、放射線科、そして病理などの基礎研究者から構成されていますが、内科医が最も多く、残念ながら外科医は必ずしも多いとは申せない状況です。したがいまして外科医が本学会大会を主宰する機会もございませんでした。第42回を数えます肝臓学会総会を振り返りましても第10回に私の恩師、本庄一夫先生(京都大学)、第11回石川浩一先生(東京大学)、そして第30回、水戸廸郎(旭川医大)の3回のみでございます。今回、私がこのような大役を仰せつかったことは多くの外科医のご支援の賜物と存じますが、外科がもっと積極的に本学会に参画すべしという内科、病理などの先生方からの暖かい励ましのメッセージとも受けとめ、深く感謝いたしております。
 昨今のわが国における肝臓疾患に対する診療体系は肝移植の導入をはじめとして新たな展開を示しており、外科医の役割は依然として大きいと考えます。また、今後の肝臓学研究・臨床のさらなる発展を期するためには、一層各分野の叡智を結集させた取り組みが大切と考えます。そしてわが国から新しい成果を世界に発信することが若い医師、研究者を魅了し、次代の肝臓学を発展させる人材の獲得、育成に繋がるものと確信いたします。
 主題選定はこのような点を鑑みつつ、また大会は臨床重視という視点から、評議員各位のご意見を参考に行わさせていただきました。限られたスペースゆえに不十分な点も多々あることと存知ますが、何卒、ご寛容のほどお願い申し上げます。一般演題は例年通りポスター発表となりますが、斬新で独創的な研究成果の多くは一般演題にあると思いますので、重視したく存じます。
 是非、多くの先生方にご来神いただき、臨床・研究成果のご発表と積極的で実りある討議を期待いたしております。