中村 会長

DDW-Japan 2006
第37回 日本消化吸収学会総会大会

 会長 中村 光男
(弘前大・保健学科病因・病態検査学)

 日本消化吸収学会は、消化吸収研究会として昭和45年に世話人名尾良憲先生のもと、東京ヒルトンホテルで第1回が開催され、以来講演論文は「TOKYO TANABE QUARTERLY」に掲載されておりました。第9回研究会(昭和53年)は弘前大学吉田豊先生によって開催され、新しい機関紙「消化と吸収」が発刊され、第16回(昭和60年)からは日本消化吸収学会として、土屋雅春先生が開催され発展してきました。
 この度、この伝統ある日本消化吸収学会総会を担当させて頂くことを非常に光栄に思い、心から感謝するとともに、責任の重さを痛感しております。
 第37回日本消化吸収学会は第14回日本消化器関連学会週間(DDW-Japan 2006)に全面参加し、学会週間の後半2日間(2006年10月13日(金),14日(土))を予定しております。開催地はDDW-Japanとしては初めての北海道札幌市です。
 本学会は地味でありますが、人間が生きていくために必須である食事・消化・吸収・栄養等に関し、医学的に研究し着実にその成果を挙げ、最近は食事の欧米化に伴う生活習慣病にまで研究範囲を広げつつあります。本学会の特徴は、医療関係者なら、その専門領域にかかわらず誰でも参加できることであり、日本消化吸収学会理事長荒川泰行先生のもと会員一同協力、努力してまいりました。今回もコ・ワーカーの方々が多数参加できるようトラベラー・アウォードも用意されております。また学会誌「消化と吸収」に掲載されたすばらしい論文には消化吸収学会賞や冠学会賞として味の素賞,天野賞なども贈られることになっております。
 今度の札幌での開催にあたり、前述した主旨を考慮して、臨床の先生方は勿論のこと、栄養士,検査技師,看護師も参加できるように、主題は、「13C化合物を用いた消化吸収機能検査」,「メタボリックシンドロームと消化吸収」,「絶飲食やimmunonutritonの功罪」,「高齢者の消化吸収機能」や「クローン病の治療・看護・管理」(いずれも仮題)を考えております。
 札幌はかの有名なクラーク博士の「boys,be ambitious」の精神を有している地なので、それにちなんで、日本消化吸収学会も新たな期待、希望を持って斬新な活動を展開できればと思っております。
 会員の皆様はじめ、他領域の皆様も、生物学の基本的原理である消化・吸収・食事・栄養に興味を持っていただき、よりよい医療を展開する基盤にしていただきたいと考えております。
 本総会会長として精一杯努力する所存でありますが、皆様方にも是非とも多数の御発表をいただくようお願い申し上げます。
 末筆になりますが、本学会の企画,プログラム作成に関し、学会役員はじめ、プログラム委員の諸先生方には多大な御支援、御助言を賜りここに厚く御礼申し上げます。