ご 挨 拶

 第13回日本消化器関連学会週間(Digestive Disease Week-Japan: DDW-Japan 2005)
の開催にあたり、ご挨拶申し上げます。
 DDW-Japan 2005 は昨年同様に日本消化器病学会、日本消化器内視鏡学会、日本肝臓学会、日本消化器集団検診学会および日本消化吸収学会の5学会の参加により行われますが、今回は記念すべき第1回DDW-Japanの開催地である神戸で行うことになりました。
 本週間は創立以来“スリムでアカデミック”を基本理念として掲げておりますが、最近の医療環境や社会情勢の変遷とともに情報公開や医療倫理の確立などが叫ばれており、本週間においても更に社会貢献を加え、基本理念の3本柱として患者本位の医療を推進するため、社会に開かれた医療を心がけてまいりたいと考えております。今後も関係各位が築いてこられた実績と栄誉を汚すことのなきようDDW-Japan のあるべき姿を求めて関係者一同、なお一層努力する所存であります。
 本週間は研究成果の発表、討論の場であると同時に、急速に発展しつつある消化器病の各分野における最新の知識を会員の皆様が吸収され、日々の消化器病診療に役立てていただくことも重要な目的であります。この目的達成のため今回も運営委員の方々の綿密な計画のもとにプログラムが作成されており、参加者が発表の内容を少しでも理解しやすいように工夫されております。学会発表の他、消化器病の医学・医療全体を総合的に修得するため教育講演を設け“消化器疾患最新のトピックス”をテーマに選び医学・医療の進歩を的確に把握出来るように工夫されております。また、毎年開催していました医療研修会はプログラム編成上取りやめ、今回は、特に、開催地が阪神・淡路大震災10周年にあたりますので、神戸のさらなる復興、発展を願って、神戸市、兵庫県医師会、神戸新聞社、阪神・淡路大震災10周年記念事業推進会議のご後援を得て、医学的観点から地震災害の被害を最小限に防ぐ医療、被災による短期的および長期的な心身の異常に対する治療対策その他を、神戸市民の皆様とともに考える市民公開講座を設けました。更に地震発生時からの神戸の状況を多数のパネルで展示することにしました。DDW-Japan参加者に、地震の悲惨さを知り、共に地震対策の重要性を認識して頂きたいと存じます。
 DDW-Japanを通して、ご参加の皆様の研鑽が十分に行われ、本週間が患者医療の向上、健康余命の増大、予防医学の進歩・実践、介護の充実に成果を上げ、ひいては社会の発展と人類の福祉に大きく貢献することを願って止みません。冒頭の5学会の会員をはじめ、ご関係の皆様方のご参加・ご協力を賜りたくお願い申し上げる次第です。
 DDW-Japan 2005 はこれまで運営委員の先生方や関係の方々のご努力により着々と準備が進められてまいりました。ここに深甚の謝意を表する次第です。
 本週間が盛会かつ成功裡に開催されることを心より祈念し、ご挨拶とさせていただきます。

日本消化器関連学会機構議長
中澤 三郎