潰瘍性大腸炎(以下UC)患者数、長期経過例の増加に伴い、本邦でもUCを母地とする大腸癌(colitic cancer)の頻度が増えており、その早期診断と治療は重要な問題である。欧米では非効率的なrandom step biopsyが今でも主として行われているが、本邦では近年、内視鏡の進歩により、高画素電子内視鏡による質の高い画像診断や拡大観察がcolitic cancer早期発見のためのサーベイランスに応用され、dysplasia/cancerの発見精度が向上している。本セッションでは、これら内視鏡診断の進歩による最新の「dysplasia/cancer診断学」を整理するとともに、その内視鏡所見、生検病理所見、あるいは生検材料を用いた分子病理学的解析結果などを駆使して、実際の治療方針(経過観察か、局所切除か、大腸全摘かなど)をどうすべきかについても踏み込んで、現時点でのコンセンサスを得るべく徹底的に議論したい。 |
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