胆管結石に対する内視鏡的治療のオプションとして内視鏡的乳頭バルーン拡張術(EPBD)が我が国で実施されるようになって以来、10年近くが経過した。当初、内視鏡的乳頭括約筋切開術(EST)と比較し手技が簡単であるとの認識があったが、截石はむしろ困難であること、偶発症として膵炎の頻度が高いことなど、知見が集積してきた。EPBDでは乳頭機能の温存が期待されているが、マノメトリー上は術前と比較し低下することも知られてきた。ESTも機器の開発と共に進化を遂げており、長期予後に対するインパクトも興味のもたれるところである。いずれにせよ臨床的に重要なことは、短期の成績のみならず結石再発をはじめとした長期予後を知り、よりよい医療を実践することである。現在でも外科手術が最も高頻度に行われている事実から、外科手術成績も加えて各治療法の長期予後を比較することで、胆管結石治療の現時点でのコンセンサスを求めてみたい。 |
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