DDW-Japan 2003運営委員会委員長

第45回日本消化器病学会大会

会長 寺野 彰(獨協医科大学消化器内科)

 

 第11回日本消化器関連学会週間(Digestive Disease Week Japan : DDW-Japan 2003)は、2003年10月15日から18日の4日間、大阪で開催されることになりました。大阪の地での開催は始めてのことでありまして、運営委員一同大変緊張しかつ張り切っております。
今回のDDW-Japanは、

 第45回日本消化器病学会大会 (会長 寺野 彰)
 第66回日本消化器内視鏡学会総会 (会長 荒川泰行)
 第7回日本肝臓病学会総会 (会長 各務伸一)
 第41回日本消化器集団検診学会総会 (会長 井田和徳)
 第34回日本消化吸収学会総会 (会長 岩崎有良)

これら5学会で構成されます。

 DDW-Japanの基本的コンセプトは、最近の医学、医療の著しい進歩により、より細分化、専門化している消化器領域の研究と臨床を一堂に会して討論し、互いにその進歩、発展を学び、日常の臨床活動に活かす機会として位置づけられています。そのモデルはいうまでもなく、アメリカ消化器病学会(AGA)を中心とした米国DDWでありますが、現在のDDW−Japanはその長所をうまく活かして、会員の皆様にとっての有意義な学術集会となっていると思われます。これまでの10年間、会員の皆様の貴重なご意見を参考として、種々改善が加えられまして、会員諸氏の経済的、時間的合理化のお役にもたっていると考えられます。

 さて、今日、世界的な経済停滞の状況は、医療の世界にも大きな影響を及ぼしてきておりまして、冬の時代を迎えているわけであります。我が国でも、医療制度の大きな変革が試みられており、さらに機関病院での驚くべき医療事故の問題などによって社会の医療に対する視線は厳しいものになってきております。また、医師養成制度も、学部教育の改革とともに新しい臨床研修制度の構築が計画されてきております。

 このように、我が国の医療の世界が大きな変貌を遂げようとしている最中のDDW-Japan 2003でありますから、その消化器領域における位置づけも極めて重大なものにならざるを得ないわけであります。

 今回はこのような基本的認識の下に、参加各学会の会長はじめ関係者の皆様が、それぞれの学会の特徴を活かして、会員の皆様の研究、診療に資する学術集会になるよう創意工夫されているところであります。現在、各学会のプログラムを策定中でありますが、DDWの基本的コンセプトを十分考慮しながら、各学会協力してDDW−Japan 全体としての企画を重視したものとなってきております。例えば、今回DDW−Japanの特別企画として、「山極勝三郎生誕140年、吉田富三生誕100年記念シンポジウム」が企画されておりますが、これも、21世紀の消化器病領域の研究、臨床が今後、悪性腫瘍の克服を目指した方向に大きく旋回していくmilestoneとして位置づけられるのではないかと期待しております。

 今世紀初頭の消化器病学の中心であり続けるであろうHelicobacter pylori,肝炎ウイルスなどに関するテーマはもちろん盛りだくさんに組み込まれておりますが、他方、その後にくるであろう大きなbreakthroughを期待しながら、これからの消化器病学のあり方を模索する意義ある学術集会になるべくプログラムを組んでいるところであります。

 経済的な状況も認識して、いわゆるslimな学会として運営し、多くの皆様が大阪の地に集えるように運営委員一同最大の努力をしていくつもりであります。
よろしくお願い申し上げます。