ご挨拶

 第11回日本消化器関連学会週間(Digestive Disease Week- Japan 2003: DDW-Japan 2003)の開催にあたり、ご挨拶申し上げます。
 DDW-Japan 2003は昨年同様に日本消化器病学会、日本消化器内視鏡学会、日本肝臓学会、日本消化器集団検診学会および日本消化吸収学会の5学会の参加により行われますが、今回は会場を初めて大阪に移しまして開催されることになりました。
 本週間は“スリムでアカデミック”を基本理念として掲げておりますが、最近の医療環境や社会情勢の変遷とともに情報公開や医療倫理の確立などが叫ばれており、本週間においても更に社会貢献を加え、基本理念の3本柱として患者本位の医療を推進するため、社会に開かれた医療を心がけてまいりたいと考えております。今後も関係各位が築いてこられた実績と栄誉を汚すことのなきようDDW-Japan のあるべき姿を求めて関係者一同、なお一層努力する所存であります。
 本週間は研究成果の発表、討論の場であると同時に、急速に発展しつつある消化器病の各分野における最新の知識を会員の皆様が吸収し、日々の消化器病診療に役立てていただくことも重要な目的であります。この目的達成のため、今回も運営委員の方々は綿密な計画のもとにプログラムを作成され、参加者が発表の内容を少しでも理解しやすいように工夫されております。学会発表の他、消化器病の医学・医療全体を総合的に修得するため教育講演、医療研修など時代に合致したテーマを盛り込んでおります。今回は、特に、山際勝三郎先生の生誕140年と吉田富三郎先生の生誕100年を記念して癌発生観に関する特別シンポジウムを企画致しました。生活習慣病として死因の第1位を占めている癌の研究発展にはずみがつけばと念願しております。
 DDW-Japanを通して、ご参加の皆様の研鑽が十分に行われ、本週間がEBMを活用した患者医療の向上、健康余命の増大、予防医学の進歩・実践、介護の充実に成果を上げ、ひいては社会の発展と人類の福祉に大きく貢献することを願って止みません。前述の5学会の会員をはじめ、ご関係の皆様方のご参加・ご協力を賜りたくお願い申し上げる次第です。
DDW-Japan 2003はこれまで運営委員の方々のご努力により着々と準備が進められてまいりました。本週間が盛会かつ成功裡に開催されることを心より祈念し、ご挨拶とさせていただきます。

日本消化器関連学会機構
議長 中澤 三郎