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食道静脈瘤内視鏡治療におけるEVLの再評価
(消化器内視鏡学会)


司  会 小原 勝敏 福島県立医科大学第2内科

吉田 智治

山口大学第1内科

 1986年にStiegmannが食道静脈瘤に対するEVLを報告して以来、15年が経過した。EVLは簡便性、安全性にすぐれ静脈瘤の荒廃効果も良好であるため急速に普及した。欧米では、緊急止血率、止血後再出血率、および再発率などにおいてEISと変わらない治療成績が数多く報告され、first choiceの治療法としての地位を獲得しつつある。しかし、我が国においては、EIS時に地固め法や食道粘膜完全消失法などの治療後再発を予防する治療が広く普及しており、治療後再発の面からはEISの方がEVLより高い評価を得ている。一方、血行動態によっては、EVL単独で長期間再発しない症例が存在する事が明らかになりつつある。EVLの現時点での成績を明らかにし、21世紀におけるEVLの評価を行いたい。