メディカルスタッフプログラム2(JDDW)
11月5日(土) 14:00–17:00 第10会場(ポートピアホテル本館 和楽)
MS2-3

寛解維持をめざしたクローン病患者に必要な指導の改善を試みて

髙野 安由美1
共著者:中原 育美1, 西尾 真実1
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札幌厚生病院・看護部
【はじめに】クローン病(CD)は寛解と再燃を繰り返す難病法に指定されている疾患である.学生や就労して間もない若年者での発症が多く生活全般を含め更に長期的な治療計画に不安を抱く方が多い.当院では初発時にパンフレットを用いて指導を行ってきたが,再燃患者には十分な指導ができていなかった.適切な疾患指導がより長期のCD患者の寛解維持とQOL向上に寄与するかを鑑みて治療をサポートするメディカルスタッフの立場から再燃患者への統一した疾患指導を行った.【目的】CD再燃患者が寛解期を維持するために必要な指導の改善を行い,効果を明らかにする【方法】1.『CD再燃患者のカンファレンスから計画立案,外来への引き継ぎまでの流れ』の手順を作成・実施し,再燃要因について記録が記載されている件数,生活指導の計画立案件数,カンファレンスの実施件数,医師との情報交換実施件数を調査2.外来看護師へ患者の次回受診日を連絡し,受診時に退院後に困ったことがないか,サマリーに必要な情報が記載されているか調査【倫理的配慮】対象の患者に口頭で,調査資料は本研究目的以外には使用しないこと,研究結果が公表される場合でも個人が特定できないことを説明し同意を得た.(利益相反なし)【結果】期間:H27年10月12日~2月3日.入院患者19名に調査を行い,再燃要因の記録記載が55%から100%,カンファレンス実施が9%から87%,医師と再燃要因の共有,指導内容の決定が0%から87%,指導計画立案と実施が9%から100%に改善された.パンフレットを改訂し「具体的で分かりやすい」という意見が患者から聞かれた.退院後初回受診患者8名と面接し,自宅で困ったと答えた患者が63%から8%に減少した.サマリーに必要な情報が約80%記載できた.【結論】1.指導の改善を行い再燃患者に統一したケアが提供できた.2.指導を改善した結果,退院後困ったと答えた患者が減少した.3.指導改善に向けて他職種と検討し共有することができた.
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