シンポジウム14

12日 9:00-12:00 第2会場

機能性消化管障害の病態と治療

公募・一部指定

  司会 福土 審 東北大大学院・行動医学
    千葉俊美 岩手医大・消化器・肝臓内科
機能性ディスペプシアと過敏性腸症候群を代表疾患とする機能性消化管障害は、国際委員会が定義したRome Ⅲ基準で診断するのが標準化されている。このため、同一基準による疫学調査が世界各国で可能となり、消化器内科受診患者のおよそ30%を占める結果も得られ、社会的な関心が高まっている。その病態にはゲノム、脳腸ペプチド、消化管運動異常、内臓知覚過敏、消化管免疫、腸内細菌、心理社会的因子などが関与する。治療は酸分泌抑制薬、消化管運動調節薬、漢方薬、認知行動療法などの有効性が報告されている。但し、病態解明の程度に比較すると、治療の奏効率は未だ不十分である。しかし、機能性消化管障害の新たな治療薬が次々に登場しつつあり、また、脳腸の神経機能を変容させる治療法も開発されてきている。本シンポジウムでは、基礎および臨床の新たな局面を切り開く研究を公募する。特に、機能性消化管障害の発症機序・病態生理、既存治療の科学的分析、ならびに、新規治療の開発に焦点をあてる。