パネルディスカッション22

23日 9:00-12:00 第11会場

上部消化管出血に対する緊急内視鏡の現状

公募

  司会 加藤元嗣 北海道大病院・光学医療診療部
    藤城光弘 東京大附属病院・光学医療診療部
上部消化管出血の主な原因は,出血性潰瘍と食道・胃静脈瘤破裂である。出血性潰瘍は,ここ10年で,H. pylori 除菌の浸透とアスピリンを含むNSAIDs服用者の増加により,その成因が大きく変化した。ESD後潰瘍からの出血例も見られるようになった。静脈瘤破裂においては,肝癌の良好な局所制御に伴い,様々な基礎疾患を有する高齢者,肝機能不良例なども増えている。上部消化管出血に対する緊急内視鏡の適応,術前,術中,術後管理はどうあるべきか,例えば,緊急内視鏡のタイミング,実施体制,麻酔法,止血法,胃酸分泌抑制薬の使用法,2nd look内視鏡の位置付け,抗血栓薬の取り扱いなど,いずれも長年にわたり議論されてきた問題ではあるが,本邦からの明確なエビデンスは極めて限定的である。本セッションでは,静脈瘤出血と非静脈瘤出血(主に潰瘍出血)に大別して,本分野における現状を明らかにし,診療指針となりうる議論を行いたい。多方面からの演題を期待する。