高後 会長

DDW-Japan 2006
第44回 日本消化器がん検診学会大会

 会長 高後  裕
(旭川医大・3内科)

 このたび、第44回日本消化器集団検診学会が、DDW-Japan 2006へ全面参加の形で札幌において開かれることになりました。旭川医科大学第三内科は、平成4年に先代の並木正義教授が第30回大会を主催して以来、14年ぶりにお世話させていただくことになります。本学会では、学会名称の変更が理事会で承認され、関係省庁のご指導のもと、「日本消化器がん検診学会」として衣替えすることになっています。このことは、名称のみならず、学会の活動が従来の集団検診から個別検診を含めた、より包括的な消化器がんの検診を扱う学会になることを意味しています。このような時期に、本学会大会を主催することは、大変光栄であるとともに、その責任の重さを自覚しているところです。
 近年のがん診療をめぐっては、国民の大きな関心事となり、どこにいても、均質でエビデンスに基づく医療を受けることが求められています。とくに、がん検診は、がん診療の入り口とも言えるものであり、これまでの経験を踏まえて、さらに科学的かつ効果的なシステムの構築が必要とされています。とくに、検診の事業評価をより科学的に行うとともに、エビデンスに基づく検診法の標準化、さらなる受診率の向上とそれによるがん死亡率の低下、分子医学的情報を加えた被検診集団のリスク、層別化等、がんに関する広い基盤的知識を持ち地域住民の要請に応えうる専門医・技師の要請等を真剣に考え、より具体化する時期に来ていると思います。今回の学会では、そのような流れの中で、消化器がん検診の現在解決すべき諸問題と、今後の方向について忌憚なく議論できる場になれば幸いです。