熊田 会長

DDW-Japan 2005
第9回肝臓大会

 会長 熊田博光
(虎の門病院消化器科)

    2005年秋に神戸で開催されるDDW-Japan2005において、第9回日本肝臓学会大会の会長を仰せつかり光栄に存じます。肝疾患の診断治療の発展のため、新演題選定委員の先生方と協力してプログラム作成に努力し、大会運営に万全を尽くす所存でございます。

    肝臓学会大会の意義が臨床研究や診断・治療の向上を目指すものであることを考え、本学会では高齢化するC型およびB型肝炎の治療をメインテーマとしました。また生体肝移植の広まりを受けて、肝疾患診療でのその位置づけと将来像も考えたいと思いました。

    C型肝炎治療では、新たにペグインターフェロンやペグインターフェロン・リバビリン併用療法など、より高い治療効果の得られる時代になりました。またB型肝炎治療でも、ラミブジンとそれに続く核酸アナログが使用可能な時代に入り、多くの人がこれら治療により肝炎改善・治癒に至り、肝癌進展予防への期待も高くなっています。また肝細胞癌診療においては、MD-CTなどの高感度の画像診断が一般化し、治療ではラジオ波凝固療法が保険認可となり治療選択の幅が広がりました。わが国での肝癌治療としての肝移植も着々と症例数が増加している一方で、局所療法と外科治療の成績に関するエビデンスの議論も盛んになっています。しかし、インターフェロン・リバビリン併用療法での無効例の存在、局所治療の対象になり難い進行肝癌、高率な肝癌再発に対する問題など、多くの問題も残されています。本学会では、このような肝疾患診療上の問題点・難治例に対する新しい治療法やストラテジー提案の演題も考慮にいれたプログラムを企画いたしました。数多くの演題を寄せていただき、実りの多い学会にしていただけることをお願いいたします。