第41回日本消化器集団検診学会大会
会長 井田和徳(朝日大学村上記念病院内科)

第41回大会の開催にあたって

 この度、私は第41回日本消化器集団検診学会大会の会長を仰せつかりました。本学会の発展のために、微力ながら最善を尽す所存ですので、何卒ご協力の程お願い申し上げます。
 本大会はDDW-Japan2003におきまして5学会共同で開催されます。期間は平成15年10月15日(水)〜18日(土)の4日間、今回DDWとしましては初めて大阪市で開催されます。会場は大阪国際会議場、リーガロイヤルホテルが予定されております。
 本学会は40年の歴史をもち、検診対象は胃からほぼ全消化器へと拡大し、方法論的にも大いに進歩してきました。しかし、この間各種の癌の罹患率はかなり変化してきております。また、全国集計によりますと、胃集検受診者数は平成6年から減少に転じております。今、このような状況は、これまで順調に発展してきた消化器検診について新たな視点からの見直しが迫られていると考えなければならないでしょう。本学会においてこのような認識に立って現状の検診を分析し、将来のあり方について大いにdiscussionしていただくことを期待しております。
 プログラム委員のご協力を得て、本学会固有のテーマと他学会と共通の接点をもつ合同テーマとが決定されました。今回は特別講演、教育講演各1題、シンポジウム、パネルディスカッション、ワークショップ、コンセンサスミーティング各2題づつ選定されました。 その上、今回は新しく課題講演3題を加えました。特別講演では、国立保健医療科学院経営科学部西村秋生先生に癌検診について医療経済面からご講演いただきます。現状の検診についての厳しいご意見、鋭いご指摘をいただけるものと期待しております。
シンポジウム「H,pylori・Pepsinogenと胃癌検診」では両検査を考慮した効率的な検診法についての議論を望んでおります。「EMRを目標とした胃・大腸検診」ではEMRという優れた治療法が普及している今日、その対象となる病変の発見が検診でも強く望まれます。
 パネルディスカッション「消化器検診におけるITの活用」、「検診における脂肪肝の意義」、ワークショップ「消化器癌検診における一次予防の取り組み」の3題は本学会では初めて取りあげるテーマです。それぞれのテーマについて積極的にご応募いただき、将来につながる有意義なディスカッションを期待しております。とくに検診におけるITの活用は今後もしばしば取りあげられる重要なテーマと考えられます。検診者に有益な、また検診業務の効率化にも役立つユニークなアイデアに満ちた演題を期待しております。
 ワークショップ「胆・膵の検診」は特に膵癌においてハイリスクグループの有効な囲い込みなど、新たな展開に期待しております。
 コンセンサスミーティングでは「胃癌・大腸癌の効率的な検診方法」を選びました。 最近、診療面では医療の標準化と質の向上が重要なテーマの一つになっていますが、 検診の分野でも検診の質が保証される標準的な方法論の確立が望まれます。
 今回初めて「消化器検診の新たな展開を求めて」というテーマの課題講演を3題企画しました。いずれも検診において今後重要性を増してきたり、実用化していくであろう分野についてのご講演です。
 以上主題の趣旨などにつきまして私見を述べましたが、一般演題の充実も学会の発展に大変重要です。主題とともに一般演題も含めて多くの演題のご応募をいただいて有意義な学会が開催できますようお願い致します。
 第20回部会研究会総会はDDW-Japanから独立して開催されます。会場は国際会議場から徒歩5分の距離にあるコミュニティープラザ大阪で、10月18日(土)午前、午後にわたって開催されます。本会へもご出席の上、ご意見を賜りたくよろしくお願い致します。